なんと……。今年、更新したのは1月の一度きり。
この一年も、このページに来てくださった方がいらっしゃいましたら、本当にようこそ。ありがとうございました。いつも留守状態で、申し訳ございませんでした。
今年もいろいろ起きまして、面白いことが盛りだくさんだったのですが、お伝えできず仕舞いで。読み返すと、昨年末も同じようなことを書いていますね。
これまた同じく昨年末に書いていますが、毎年、1年の終わりが近づくと、自分にとっての「七味五悦三会」はなんだったかなと思い起こします。
「七味五悦三会」とは、「美味しかった七つの食べもの」「五つの楽しかったこと」「新しく出会えた三人」という意味。
大晦日にこの一年の「七味五悦三会」を振り返り、「今年はいい年だったね」と喜び合う江戸時代の風習なのだそう。
そこでひとつ、今年出会った忘れがたい人たちのことを。
今年の秋の一時期、入院して過ごしていました。
何度か入院経験はありますが、たいてい病室にはカーテンがひかれていて、顔を合わせれば挨拶は交わすけれど、それぞれそっとしあう。そんな雰囲気が多かったです。
ところがそのときは、人と話すのが好きな人が集まっていたというか、別の病室の人も交え、よく4人で集まっては話し込んだりしていたのでした。
一緒に朝の風景を眺めたり、消灯前には夜の集会を開いたり。年上の方もあれば、年下の方もあり。たわいない話もあれば、治療についての共感できる話もあり。
主治医や看護士さんがカーテンをあけて入ってきて、そんな私たちを見るたび、「あっ。お話中でしたか」と、ほころんだ顔をしてくださったものでした。
たいてい静かな病室にあって、これはちょっとめずらしい風景だったのかもしれません。
その中の一人の方は、週末、一時帰宅する予定だったけれど、台風も来るし、こっちの方が楽しいからと、帰宅を取り止めてしまったほど。
かつて、「すいか」という、味わいある名作ドラマがありました。
小林聡美さん演じる主人公の基子と、白石加世子さん演じる基子の母親。基子の母は、子離れ出来ていない、一見話が通じなさそうに見える人物。
その母が癌のため入院することになり、病院に見舞う基子。そこで基子は見るのです。病室で出会った人たちと楽しそうに過ごす母を。母には母の世界があるんだなと知るのです。
ドラマでは退院の日、母がそんな友人たちとハイタッチし、賑々しく見送られ、名残惜しく病院を後にするという、派手ではないけれど印象的なシーンがあるのです。
退院の日、仲良くしていただいた方たちとハグして、ハイタッチして、見送られ、病院をあとにしたとき、「すいか」でのシーンを思い出したのでした。
病院でこんなに楽しい時間を過ごせるなんて。このときのめぐりあわせは、ちょっとした奇跡のようにも思えました。
さて2020年はどんな年になるでしょう?
またよろしかったら遊びにいらしてください。
どうぞよいお年をお迎えください。