2020年12月31日

やっと会えたね


ここは年末年始のみ更新するページか~。

というありさまに一昨年からなっておりますが、 一年間、お立ち寄りくださった方がいらっしゃいましたら、本当にようこそ。ありがとうございました。

更新はトンとしておりませんでしたが、生きてます、生きてます~。



たしか何年か前から、年末のpostscriptには、「今年も新しい経験をした」「面白い経験をした」と、毎度書いてますね。

今年も新しく経験することがいくつかありました。ここ近年で一番級の、なかなかにハードで面白い経験もありました。

しかし、ネット上で個人的なことを日記のように書くのがためらわれ、足が遠のいていました(なにか別の形で伝えられたらと思ってます)。



そう言いつつ、今年の嬉しかったことをひとつ。

1年前、入院中に出会った人たちのことを書きました(2019年12月30日「忘れがたい人たち」)。

その方たちと過ごした時間は、その後も折にふれ思い出すほど楽しい時間でした。

外来診察で病院に出かけるたび、「また会えないかな」と、ユカコスコープを発動させ、ウィーンウィーンと辺りを見回したものでした。でも、大きな病院だし、なかなかそうはね。

しかし、今年の10月、「今日は会える気がする」そんな予感がして、いつもより取りこぼすものかと意識してスコープを発動。

そうしたら、待合室で血圧を測っているとき、病室でご一緒した一人の方がそのそばを通り過ぎるではありませんか。

ちょっとしたタイミングがずれていたら、会えなかった

その方も、病院に来るたび、「会えないかな」と探してくださっていたそう。「夢がかなった~」と言ってくださってて、同じこと考えてたんだなって。



もはや無人島に近くなってはいますが、どの口が言うですが、またよろしければ、気が向いたときに遊びにいらしてください。

どうぞよいお年をお迎えください。


* 「やっと会えたね」は、ポール・マッカートニーが1990年来日ライブをしたときのポスターのキャッチコピーです(1980年、成田の税関で大麻所持の容疑で逮捕され、ウイングスの来日公演が中止になった経緯があった)。

2020年1月31日

新しい1月、新しい手帳。


年をとると、年々時間の流れが速くなってくように感じるもの。それでも毎年、新年になると、1月は長く感じる。ふと、カレンダーを見て「まだ何日ある(!)」と思ったりするのです。

そして2月になって、時間の流れが徐々に加速していく・・・。毎年そう感じる。2月は、12カ月のうち一番日にちの少ない月。よけい速さが際立つのかもしれませんが。

1月になって新しくおろしたばかりの手帳。最初は丁寧に文字を書こうと心がけ。で、だんだん乱雑になっていく・・・のと少し似ている。似てないか。

ここ何年かは、用途に応じて3冊の手帳を並行して使っています(どんだけ手帳好きなんだ)。

そのうちの1冊が、ほぼ日手帳。これは持ち歩き用ではなく、机の上にいつも開きっぱなし。その日やることを確認したり、やったことをメモしたり。

よく、「こんなふうに手帳を活用しています」という雑誌の手帳特集がありますが、とても人には見せられない(誰も取材には来ませんが)。

雑誌の記事にふさわしいような、ビジュアル的にきれいに描いている人を見ると、ほえ〜。寝起き姿は見せません。みたいな、きれいに身支度した人を見る思い。

それを思うと、こちらの身のかまわなさっぷりと言ったら(ありの〜ままの〜)。ラフです。雑です。

先日、夫が私の開いたまんまのほぼ日手帳を見て、「“ワ”がいくつも並んでるのはこれは何?」と聞くのです。

あぁ。これはね。7(数字のナナ)、です。

パソコンに向かうとき、キッチンタイマーを7分にセットして、タイマーが鳴ったら一度立ち上がりるようにしています。画面見つめっぱなし、椅子に座りっぱなしは身体によくないですからね。

7分とはせちがらい。そう感じる方もいらっしゃるかも。でも、目の疲労も防げるし、めりはりできるし、慣れるとリズムができて、なかなかいいです。

で、どれくらい仕事に時間がかかったかわかるよう、タイマーが鳴ると「7 7  7  7  7  7  7 ・・・」と、そのつどメモしていくのです。やりすぎないよう警告の意味もこめて。この作業は5セット以内で仕上げようとか、目安にもなります。

誰かに見せるためでもなく、読み返すためでもない、その時々の記録。日々の生活がそこにあるなって、思います。

2019年12月30日

忘れがたい人たち


なんと……。今年、更新したのは1月の一度きり。

この一年も、このページに来てくださった方がいらっしゃいましたら、本当にようこそ。ありがとうございました。いつも留守状態で、申し訳ございませんでした。

今年もいろいろ起きまして、面白いことが盛りだくさんだったのですが、お伝えできず仕舞いで。読み返すと、昨年末も同じようなことを書いていますね。

これまた同じく昨年末に書いていますが、毎年、1年の終わりが近づくと、自分にとっての「七味五悦三会」はなんだったかなと思い起こします。

「七味五悦三会」とは、「美味しかった七つの食べもの」「五つの楽しかったこと」「新しく出会えた三人」という意味。

大晦日にこの一年の「七味五悦三会」を振り返り、「今年はいい年だったね」と喜び合う江戸時代の風習なのだそう。

そこでひとつ、今年出会った忘れがたい人たちのことを。

今年の秋の一時期、入院して過ごしていました。

何度か入院経験はありますが、たいてい病室にはカーテンがひかれていて、顔を合わせれば挨拶は交わすけれど、それぞれそっとしあう。そんな雰囲気が多かったです。

ところがそのときは、人と話すのが好きな人が集まっていたというか、別の病室の人も交え、よく4人で集まっては話し込んだりしていたのでした。

一緒に朝の風景を眺めたり、消灯前には夜の集会を開いたり。年上の方もあれば、年下の方もあり。たわいない話もあれば、治療についての共感できる話もあり。

主治医や看護士さんがカーテンをあけて入ってきて、そんな私たちを見るたび、「あっ。お話中でしたか」と、ほころんだ顔をしてくださったものでした。

たいてい静かな病室にあって、これはちょっとめずらしい風景だったのかもしれません。

その中の一人の方は、週末、一時帰宅する予定だったけれど、台風も来るし、こっちの方が楽しいからと、帰宅を取り止めてしまったほど。

かつて、「すいか」という、味わいある名作ドラマがありました。

小林聡美さん演じる主人公の基子と、白石加世子さん演じる基子の母親。基子の母は、子離れ出来ていない、一見話が通じなさそうに見える人物。

その母が癌のため入院することになり、病院に見舞う基子。そこで基子は見るのです。病室で出会った人たちと楽しそうに過ごす母を。母には母の世界があるんだなと知るのです。

ドラマでは退院の日、母がそんな友人たちとハイタッチし、賑々しく見送られ、名残惜しく病院を後にするという、派手ではないけれど印象的なシーンがあるのです。

退院の日、仲良くしていただいた方たちとハグして、ハイタッチして、見送られ、病院をあとにしたとき、「すいか」でのシーンを思い出したのでした。

病院でこんなに楽しい時間を過ごせるなんて。このときのめぐりあわせは、ちょっとした奇跡のようにも思えました。

さて2020年はどんな年になるでしょう?

またよろしかったら遊びにいらしてください。
どうぞよいお年をお迎えください。

2019年1月13日

CHARAの名前のひみつ……わたしの(ボクの)好きな先生


暦のうえでは昨年末。2週間ほど前のこと。ちょっと前のこと。

12月29日の「RADIO DONUTS」のゲストに、ミュージシャンのCHARAが登場していました。

そのとき聞いた「チャラ」という名前の由来がとても素敵だった。

じつは、9歳のとき、代用教員のヨシコ先生がつけてくれた愛称なのだそう(もともとは「シャラッと」から来てるそう)。

たとえば泣いてた子が、次に一生懸命やるさまが、その先生にはたぶん「この子、気持ちが切り替わるのが上手だな」と映り、彼女につけてくれたのだそう。

ふつう日本語の響きからすると、「チャラチャラしてる」という意味に思われがちな、この名前。

昔、「笑っていいとも」(フジテレビ)に出たときにも、タモリさんに「チャラってのは、そこから来てるの?」と聞かれ、めんどうくさいから「まぁ、そんな感じです」と答えていたら……。

番組を見たヨシコ先生から「違う!」と、「全然違う。むしろ真逆の意味だよ」と、丁寧なお手紙をいただいたのだそう。

なんて素敵な先生なんだ。

サラリーマン生活をしながら、プロ棋士への道を切り拓いた瀬川晶司さんの自伝、『泣き虫しょったんの奇跡 サラリーマンから将棋のプロへ(講談社文庫、2010)に出てくる、小学校時代の恩師、苅間澤大子(かりまさわ・ひろこ)先生のよう。

こちらのエピソードも素敵なので、よろしかったら「もくれん本棚」のこのページにとんでみてくださいね。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。

2018年12月29日

七味五悦三会(美味しかったもの・楽しかったこと・出会った人)


鴻上尚史さんが、『週刊 SPA!』で連載されている「ドン・キホーテのピアス」。

ほぼ毎週、楽しみに読んでいるのですが、鴻上さんが毎年12月になると取り上げているのが、「七味五悦三会(ひちみ・ごえつ・さんえ)」のお話。

「七味五悦三会」とは、「美味しい七つの食べもの」「五つの喜び」「三人の出会い」という意味で、鴻上さんが杉浦日向子さんから教えてもらった江戸の風習のことだそうです。

江戸時代の人たちは、除夜の鐘を聞きながら、この一年で経験した「七味五悦三会」を話し合い、美味しい七つの食べもの、五つの楽しかったこと、新しく出会えた三人の人……このすべてがあると「今年はいい年だったね」と喜びあったといいます。

雑誌の連載では毎年、鴻上さんにとっての「七味五悦三会」が綴られていて、自分でもまたこの一年、どんなことがあったか、どんな人や美味しいものに出会ったかを振り返るのが楽しみにもなっています。

年の始めにこのページをブログに引っ越して、「思いたったとき、小気味よく発信していきたいと、やる気満々でいます」と書いていましたが(どの面下げて……)。

まるで雪原のように続く真っ白なページ。

私の日常が真っ白だったわけではないのですけども。むしろ、かなり面白いことがいくつも起きていたのですが、ネット上でダダ漏れにするのも……ね? 大人になったら秘密が増えるというものです。ふふ。

新しく経験した話はどなたかのお役に立てることもあるかもしれないので、またどこかふさわしい形でお届けできればと思っています。

そして、そうした話は、私以外の人にも起きてることだと味わい深く感じる一年でもありました。

この一年も、お越しいただきました方がいらっしゃいましたら、ほんとうにようこそ。ありがとうございました。

ら・ら・来年もよろしければ、遊びににいらしてください。
どうぞよいお年をお迎えください。

2018年12月17日

元素の周期表ポストカード・増刷が出来ました


元素の周期表ポストカード。2012年の初版から2017年の改訂版*を経て、このたび、おかげさまでトータルで7刷り目となりました。
(*日本で発見された「ニホニウム」を含め、新しく発見された元素が6つ加わりました)

国立科学博物館のミュージアムショップ(店頭販売)
海猫屋
仮説社
でも、お取り扱いいただいてます。

自分の手に負える範囲での宣伝しか出来ていないのですが、大きな宣伝もないまま、地味ながらも7刷り目。

この3つのショップに日本の科学好きの方たちが集まっている! と言っても過言ではないでしょう。

よいお店にお取り扱いいただけて、科学好きのお客さまとの出会いを作っていただいていて、感謝しています。

元素についての基礎的なデータを眺めたいときのサッと取り出せる早見表として、ちょっと変わったおたよりやプレゼント、インテリアとして、よろしかったら、どうぞお手元に。

よろしくお願いいたします。

2018年3月16日

鴻上尚史さんと、ハンバート ハンバートと、春のラジオ


ニッポン放送の「オールナイトニッポン」が50周年を記念して、「オールナイトニッポンPremium」をオンエア中。

過去にオールナイトニッポンをレギュラーで担当していた人気パーソナリティが、真夜中ではなく、平日の午後7時から8時50分まで、 期間限定で復活という企画。敬愛する鴻上尚史さんが火曜日の放送を担当中(鴻上さんの放送は3月20日を残すのみ)。

久しぶりに聴くラジオの鴻上さんは、年齢を重ね、落ち着いたトークを展開するのかと思いきや、気持ち良く(それ以上に)くつがえされました。 かなり早口。高速回転で、テンション高い!(ピストン西沢さん?)

トトトトトと繰り出される軽快なトークも変わらず可笑しいのですが、鴻上さんの選曲がまた、いいです。鴻上さんが演出した芝居で流れる曲が昔から好きでした。

3月13日の放送では最後に、ハンバート ハンバートの「おなじ話」という曲が流れました。2005年に発表された曲のようです。

この詩は、聴く人によって、いろんな受け取り方がされているようです。

想像がはいりこむ隙のない、その言葉通りの、まるで額面通りのストレートな歌詞が近ごろ増えているなぁと感じていたので、この歌の完結していない世界に感動してしまった。

だから、何度でも聴いてしまう。答えを見つけようとするみたいに。そして聴くたび、感じ方が変わっていく。大切な人と過ごす(過ごした)日常の時間が浮かんで、胸がつまるような気持ちになることも。

この歌(世界)をつくったお二人(ご夫婦のようです)にも感動しました。この歌を聴くことができてよかったです。

鴻上さんは真夜中のラジオでいつも、「いい夢を見るんだよ」と番組を終わっていました。真夜中に聴く、この響きも好きでした。「オールナイトニッポンPremium」が終わるのは、まだ夜の9時前。眠るにはちょっと早い時間ですが、変わらずその言葉で番組の幕を引いてくれて、これまたグッときました。

自分で立ち続けて、走り続けて、ちっとも重たくなっていない鴻上さんを確認した春先の夜。

radiko だとタイムフリー機能を使って、リアルタイム外でも聴くこともできます〕